1人老人ホームに入っている母
私は結局1度も面会せずに戻ってきた
東京から来るのはいまだに歓迎されない😆
母親と暮らす選択をしないわけ
私の本心は母とは全く違う観念であることに気づいたから
母に合わせて生活を共にするのは苦しい😣
母は東京生まれの東京育ちだが、
父と出会って、北国に住むことになった
すでに半世紀以上の雪国生活
いつかは東京に戻れる
いつかは雪のない東京に戻る
いつかは兄妹や娘たちといつでも会える環境になる
そう思いつつここまできた
父はその想いがわかっていたが、
想いに応えること無く他界
父が亡くなってから、
母はこれから私も東京で生活する、と
東京に来て、土地勘のある場所に滞在した
ところが田舎暮らしで弱っていた足
駅前の歩道で、黄色い点字ブロックに
つまづいて転んだ
周りの人に助けてもらって
やっと起き上がる
肋骨にヒビが入っていたのは後からわかる
その時、すでに88歳
ずいぶん長いこと帰りたくて待っていた東京
あれほどデパート巡りを楽しみにしていた東京
その夢は粉々にくだけた
もう私は東京は無理なのね
青森に帰って呟く
娘や孫と一緒に暮らす東京での生活を
思い描いていたけれど
それは私には遅すぎた
あなたは好きなところで生活なさい
そう言って、自分で老人ホームに電話をかけて
入居を決めた
それは母の「決断」だった
行動してみた結果の決断
周りの反応はさまざまだった
ホームに入って数年
コロナ禍で行動が制限されることもあり、
自由ではないとしても
それなりに楽しんでいるように見える母
本当は娘と一緒が良かったんだと思うが、
精一杯私に自由をくれた母の決断に、
私は心から感謝している