自律脳

自律脳と縁起

こんにちは。今回は仏教用語の「縁起」
について書いてみます。


よく私たちは、普段、縁起がいいね、とか
これは縁起が良くないねと言う言葉を使うことがあります。

縁起という言葉からは、
良いことか、もしくはよくないことが起きる
前兆を連想することが多いように感じます。

そもそも縁起という言葉は仏教用語なんです。

仏教における「縁起」とは、
通常の使われ方とは違い、
もっと人間の心のあり方に関わる教えだったのです。


私も、本当の意味での縁起について知ったのは
つい最近のことでした。

「縁起」とは、すべての物事は「因(原因)」と「縁(助ける条件)」が出会って、
互いに関わり合うことで成り立っている、という考え方です。

どんな存在も孤立して存在しているわけではなく、
常に無数の因縁が結びついている。


これを理解すると、
私たちは自分も他者も、そして環境も切り離せない
関係性の中に生きていることに気づきます。

例えば、チューリップが咲くためには
球根(因)だけでは不十分ですよね。


土や水、太陽の光、気温といった条件(縁)が揃って
はじめて花を咲かせることができます。

人間も同じで、もともと持っている素質(因)に加え、
親子関係や教育、社会との関わり(縁)が重なり合って、
心や能力が育まれていくのです。

この縁起の考え方は、私が提唱している「自律脳」と
とても深く響き合う感覚があるんです。

自律脳とは、自分で感じて考え、選び、行動できる脳のこと。
その基盤には「安心感」と「自尊感情」があります。
縁起を理解すると自律脳を育てることにつながるんです。

① 相互依存と安心感

縁起は「すべてはつながっている」
という視点を与えてくれます。


人は、自分ひとりだけでは決して生きられない

人は孤立して存在するのではなく、
常に周囲の支えの中で
生きているのだと理解できると、


孤独感や不安から
少しずつ解放されていくのを
感じることができます。

「私がいるのは多くの縁があってこそ」
という気づきは、
自分という存在そのものに
安心感をもたらしてくれます。


それは、自分はここにいて良いんだ、という
自分を肯定する力となります。
これはまさに自律脳を育てるための土台です。


安心感と自尊感情なんです💕

② 因と縁を理解すると、自分を責めなくなる

子育てや人生で「なぜうまくいかないのだろう」
と悩むことがあります。


この時、縁起の視点に立ってみると、
「原因(因)」だけではなく
「条件(縁)」が揃っていないだけかもしれない、
と考えることができます。

例えば、子どもが勉強に集中できないとき、
それは能力不足ではなく、
環境や対話のタイミングといった「縁」
が整っていないのかもしれません。

親も「自分の育て方が悪い」と
過度に自分を責める必要はなく、
環境を整えることで状況は変わるとわかるのです。

これは、自分にも子どもにも優しくなれる大切な視点です。

③ 苦しみの原因を知り、共感力を育てる

仏教では、不安や怒りなどの苦しみは
「無明」―つまり視野が狭く、物事のつながりを見失う
心の状態から生まれると説きます。

自分中心に物事を見てしまうと、
相手の行動が理解できずイライラが募るものです。

しかし、縁起の考えを取り入れると
「この人にも事情(因縁)があるのだ」
と思えるようになります。

例えば、子どもが癇癪を起こしているのを見るとき、
それは子どもがわがままだからではなく、


眠い・空腹・安心できないといった
他の条件が揃っているからだと理解できます。

こういった視点は共感や慈悲を生み、
親子関係を柔らかくし、
自律脳が自然に育つ場を作るのです。

④ 変化と無常を受け入れる力

縁起は「すべては変化し続ける」
という事実も教えています。

どんな状況も固定されたものではなく、
因と縁が変われば未来は必ず変わる。


これを受け入れると、
私たちは「今この瞬間」の感情に
縛られずにすみます。

子育てでも、「この子はこういう性格だから一生変わらないかも」
と思い込むと親子で苦しくなります。

ですが、見方を変えて、
「今はこういう因と縁が重なっているだけ。
これから変わることもあるんだ」


と理解すれば、
安心して見守ることができます。

この柔軟さが、親自身のストレスを和らげ、
気持ちにゆとりが生まれ、
子どもが安心して挑戦できる空気をつくります。

縁起と自律脳がつなぐ未来

縁起を理解することで、私たちに
「すべてはつながっているからこそ、
今ここから変われる」という希望を与えてくれます。

そしてその希望は、安心感と自尊感情を育み、自
律脳を花開かせる大地になります。

子育ても人生も、「因」と「縁」がそろったときに
自然と花が咲くもの。

だからこそ焦らず、比べず、条件を整えることに
意識を向けたいのです。

縁起の智慧を日常に取り入れ、
自律脳を育てながら、親子ともにしなやかに生きる力を
育んでいきましょう

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

強運はつくれる!前のページ

いま、ふと感じたことが正解次のページ

ピックアップ記事

  1. 満月の力を借りて愛を伝える

関連記事

  1. 子育て感

    そんな子うちの子じゃない

    「そんなことするなら、ママもう知らない」「いうこと聞…

  2. 自己肯定感

    「時間が足りない、、」と感じるママへ

    「子どもの自律心を育てる、たった2つの習慣最近、時間…

  3. 自己肯定感

    自律脳とお金の関係

    自律脳とお金の関係 〜“受け取る力”が子どもの未来をひらく〜…

  4. 子育て感

    自律脳的マネー感覚とは

    お金は“大切”だけど、“目的”じゃないこれか…

  5. 子育て感

    最善の子育てとは

    一体、どんな子育てがその子にとって最善なのでしょうか…

  6. 自律脳

    お受験と自律脳

    思い出しました。小学校受験のこと。うちは、もともと受…

おすすめ記事

  1. そんな子うちの子じゃない
  2. お受験と自律脳
  3. 終わりを思い描くことから始める子育て
  4. 満月の力を借りて愛を伝える
  5. 時間を大切に
  6. 今日、誰のために生きる?
  7. 依存しない生き方
  8. 風の時代に入って・・
  9. 脳の老化は感情から
  10. スピリチュアルと宗教の違い
  1. 自律脳

    お受験と自律脳
  2. スピリチュアルコーチ

    スピリチュアルと宗教の違い
  3. コミュニケーション

    心を開放する
  4. その他

    岩木山神社
  5. 環境

    退職祝い
PAGE TOP