子育て感

「家族って何だろう?」と初めて思った日

私が自律脳を育てることを考えるようになった原点

皆さんは、子どもの頃の
「家族との楽しかった思い出」
を覚えていますか?

私は正直に言うと、
「家族といる時間が楽しかった」
とは思えません。


むしろ、どこか居心地が悪く、
落ち着かなくて、
「自分の居場所がないような感覚」がいつもありました。

もちろん、当時はそれを言葉にして
自覚していたわけではありません。


他の家を知るわけでもないし、
比べることもできない。


だから「これが普通なんだ」
「こういうものなんだ」
と思い込んでいたんです。

そんな私は、家族の前でいつも遠慮し、
邪魔にならないように、
気を遣いながら過ごしていました。


「私さえ我慢すれば」
「空気を乱さないように」
そうやって小さな頃から自分を押し殺し、
家族の中の「役割」を演じていたんだと思います。

でも、その「居心地の悪さ」に気づいたのは、
大学生になってからのことでした。

大学進学を機に親元を離れ、
私はある親戚の家に1年間
お世話になることになったんです。


そこは、もちろん私の「実家」ではない。
血はつながっていても、私にとっては「他人の家」。


最初は戸惑いしかなく、
どう振る舞っていいかも分からず、
従姉妹の後ろをついて回って
遠慮しながら暮らしていました。

ところが、そのおばさんは、
私にとっては意外な人でした。


いつも私をよく見ていて、
ちょっとしたことでも
「偉いね」「優しいね」と褒めてくれる。


私にしたら、びっくりするような経験でした。

だって私は、家で褒められた記憶なんて
なかったからです。
「できて当たり前」「失敗はダメ」


そんな空気の中で、
自分を肯定されることなく
厳しく育った私にとっては、


おばさんの言葉が本当に不思議で、
あたたかくて、でもちょっと怖くて。


「こんなに優しくしてもらっていいのかな」
「甘えたくなっちゃう自分がいる」
そんな感覚を、初めて味わったんです。

今思えば、お客様対応でもあったでしょう。


でも、それでも私は
「自分が受け入れられている」
「大切にされている」と感じる体験を、
初めてしたのだと思います。

そして、もう一人の存在も大きかった。
おじさんです。

おじさんは、私を一人の大学生として、
一人の大人として扱ってくれました。


「大学生なんだからこうしなさい」
という押しつけじゃなく、


「人としてどうあるのがいいと思う?」
と問いかけられたり、


一人で出かけることに不安そうな私に、
「目と耳と口さえあればどこへでも行ける」
と背中を押してくれたり。


私がそれまで感じたことのない、
大人の余裕と信頼を向けてくれたんです。

それは衝撃的でした。
「私の考えを聞いてくれる大人がいる」
「私の可能性を信じてくれる人がいる」


こんな体験が、自分の中に少しずつ、
自分を信じる力を育てていったんだと思います。

あの1年間は、私の人生を大きく変えました。

「家族ってこういう形もあるんだ」
「他の大人はこんなふうに接してくれるんだ」

私の「当たり前」は壊れました。
「これしかない」「仕方ない」


と思っていた家族観が、
実は選択肢の一つにすぎないと知ったんです。

そして、自分の内側にも、
実は選択肢があったことに気づきました。

「遠慮して自分を押し殺す私」と「甘えたい私」
「役割を演じる私」と「素直な私」
本当はどちらも私で、どちらを選ぶかを自分で決めていい。

これこそが「自律脳」を育てる
入り口だったのだと、今になって思います。

私は、子どもの頃に
この力をうまく育てられなかった。


でも、親元を離れ、
別の家族との暮らしの中で、
初めて「感じる」ことを許され、


「考える」ことを促され、
「選ぶ」経験を与えられました。

もし、今子育てをしている
お母さんがこの記事を読んでくださっていたら
ぜひ伝えたいことがあります。

「子どもが安心して自分の気持ちを感じられる場所」
「自分の考えを言える人がいる」
「自分で決めるチャンスのある暮らし」

そんな環境を用意してあげてほしい、
ということです。

それは特別な教育でも高価な教材でもありません。
「あなたはどう思うの?」と聞くこと。
「それでいいよ」と受け止めること。
「やってみて❣️」と応援すること。

私が大人になってから、
ようやくもらえたものを、
子ども時代に受け取れるなら、

どんなに素晴らしいだろうと思うのです。

私が自律脳を育てることを
大切にしているのは、まさにこの経験からです。

親の価値観を押し付けるのではなく、
子ども自身の
「感じる・考える・選ぶ」を尊重する。


それが、どんな環境にあっても、
自分らしく、しなやかに、個性的に生きていく力
になると信じているからです。

私の居心地の悪かった子ども時代も、
今思えば大切なプロセスでした。


けれど、今の子どもたちには、
もっと早く「自分で選んでいい」
という安心を届けたい。


そんな思いを込めて、
これからも自律脳を伝えていきたいと思っています。

コメント、感想お待ちしております。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

そんな子うちの子じゃない前のページ

ピックアップ記事

  1. 満月の力を借りて愛を伝える

関連記事

  1. 意識

    心地よい領域を外れてみること

    こんにちは、ゆうきひろこです。気づけば今年も半分過ぎようとし…

  2. 子育て感

    待つ勇気

    こんにちは、ゆうきひろこです。そろそろ東京では桜🌸の頃を迎えます。…

  3. 自律脳

    自律脳で変容していく

    こんにちは、ゆうきひろこです。あなたは、自分自身が自…

  4. 家族

    自律脳最強むすめの一時帰国

    FBより【驚きと寂しさ】一時帰国を終えて海外へ旅立って行った…

  5. 自律脳

    のどが大切なんだ〜

    おはようございます。ゆうきひろこです。この間、自分自身を掘る…

  6. 家族

    読解力につながるコミュニケーション

    おはようございます。ゆうきひろこです。最近、日本の子どもの読解力が…

おすすめ記事

  1. そんな子うちの子じゃない
  2. お受験と自律脳
  3. 終わりを思い描くことから始める子育て
  4. 満月の力を借りて愛を伝える
  5. 時間を大切に
  6. 今日、誰のために生きる?
  7. 依存しない生き方
  8. 風の時代に入って・・
  9. 脳の老化は感情から
  10. スピリチュアルと宗教の違い
  1. 自己肯定感

    自己信頼感
  2. その他

    反発というエネルギー
  3. 日々の気づき

    過程を楽しむ
  4. スピリチュアル

    意識的に生きる
  5. 私の好き!

    カフェインレスになる
PAGE TOP